紙類のリサイクルガイド

正しく分別して、森林資源を守りましょう

ご注意

このガイドは一般的な紙類の分別方法を紹介する参考資料です。自治体によって分別ルールが異なりますので、正確な情報はお住まいの自治体のホームページや分別ガイドブックをご確認ください。

📄 紙類の種類と分別

紙類は日本で最もリサイクル率が高い資源のひとつです。日本の古紙回収率は約67%で、世界的にも高い水準にあります。しかし、正しく分別しないと資源として回収できないため、種類ごとの特徴を理解することが大切です。

紙の種類 具体例 分別区分 出し方
新聞紙 新聞、折り込みチラシ 古紙(新聞) ひもで十字に縛る
段ボール 宅配便の箱、引越し用段ボール 古紙(段ボール) たたんでひもで縛る
雑誌・チラシ 雑誌、カタログ、パンフレット、教科書 古紙(雑誌) ひもで縛る
紙パック 牛乳パック、ジュースパック 紙パック(別途回収) 開いて洗って乾かす
雑がみ 封筒、はがき、包装紙、メモ用紙、紙袋 古紙(雑がみ) 紙袋にまとめて出す
感熱紙(レシート) レシート、FAX用紙、ATM明細 可燃ごみ 燃えるごみとして出す
防水加工紙 紙コップ、カップ麺容器、ヨーグルト容器 可燃ごみ 燃えるごみとして出す
汚れた紙 油で汚れた紙、食品が付着した紙 可燃ごみ 燃えるごみとして出す
写真・カーボン紙 写真、カーボン紙、ノーカーボン紙 可燃ごみ 燃えるごみとして出す

「雑がみ」とは?

新聞・段ボール・雑誌・紙パック以外のリサイクルできる紙を「雑がみ」と呼びます。封筒、はがき、包装紙、紙袋、カレンダー、トイレットペーパーの芯、お菓子の箱などが該当します。雑がみは紙袋に入れてまとめて出すのが一般的です。

  • 封筒:セロハン窓は取り除いてから出す
  • はがき:圧着はがきもリサイクル可能
  • 包装紙:金紙・銀紙は不可の自治体もあり
  • ティッシュの箱:ビニール取り出し口を外してから出す
  • お菓子の箱:ビニール部分を外してから出す

リサイクルできない紙

以下の紙は古紙として回収できません。可燃ごみとして出してください。

  • 感熱紙:レシート、FAX用紙。爪で引っかくと黒くなるのが特徴。BPA(ビスフェノールA)を含むことがあり、リサイクルすると再生紙に混入します。
  • 防水加工紙:紙コップ、カップ麺の容器、ヨーグルトの蓋。ポリエチレンでコーティングされており、パルプと分離できません。
  • カーボン紙・ノーカーボン紙:複写用紙として使われるもの。インクが溶け出し再生紙を汚染します。
  • 写真:銀塩写真はプラスチックコーティングされているため不可。
  • 汚れた紙:油や食品で汚れた紙は洗っても繊維に染み込んでいるためリサイクルできません。
  • 圧着はがきを除く特殊加工紙:アルミコーティング紙、合成紙(ユポ紙)など。
  • 使用済みティッシュ・ペーパータオル:衛生面と繊維劣化によりリサイクル不可。

📌 紙マーク(紙製容器包装識別マーク)

日本では、容器包装リサイクル法に基づき、紙製の容器や包装には「紙マーク」の表示が義務付けられています。このマークは紙製容器包装であることを示し、正しい分別の手がかりになります。

紙マークのポイント

  • 紙マーク付き:容器包装プラスチックと同様、自治体の指示に従って分別します。多くの自治体では「古紙」または「雑がみ」として回収しています。
  • 紙マークの場所:商品パッケージの裏面や側面に印刷されています。
  • 注意:紙マークがあっても汚れていればリサイクルできません。軽く汚れを落としてから出しましょう。
  • 自治体によって異なる:紙マーク付きの紙を「容器包装」として別途回収する自治体もあれば、「雑がみ」としてまとめて回収する自治体もあります。

識別マークの見方

商品パッケージにはさまざまなリサイクルマークが表示されています。紙マーク以外にも確認しておきたいマークがあります。

  • 紙マーク:紙製容器包装 -- 自治体のルールに従って分別
  • 段ボールマーク:段ボール製 -- 段ボールとして回収
  • 紙パックマーク:アルミなしの紙パック -- 開いて洗って乾かして回収ボックスへ
  • 紙パック(アルミ付き):アルミコーティングされた紙パック(酒パックなど) -- 回収場所が限られる場合あり

正しい出し方

紙類は種類ごとに分けて、決められた方法で出すことが大切です。正しく出すことで回収率が上がり、より多くの紙がリサイクルされます。

1

種類別に分ける

新聞紙、段ボール、雑誌・チラシ、紙パック、雑がみをそれぞれ分けます。混ぜると回収されない場合があります。

2

ひもで十字に縛る

新聞紙・雑誌・段ボールはひもで十字に縛ります。ビニール袋に入れないでください。雑がみは紙袋にまとめます。

3

雨の日は避ける

濡れた紙はリサイクルできません。雨の日は出さず、次の収集日まで保管しましょう。屋根のある場所に出すのが理想的です。

4

指定日に出す

自治体の定める古紙回収日に、指定の集積所に出します。地域によっては自治会や子ども会の集団回収もあります。

段ボールの正しい出し方

段ボールは古紙の中でも特にリサイクル価値が高い素材です。以下の手順で出しましょう。

  1. ガムテープを剥がす:テープはできるだけ取り除きます。少量の残りは問題ありません。
  2. 送り状・伝票を剥がす:個人情報保護のためにも、伝票は必ず剥がしましょう。
  3. たたんで平らにする:中身を取り出し、折り目に沿って平らにたたみます。
  4. 緩衝材を分離する:プチプチ(気泡緩衝材)やビニールは取り出してプラスチックへ。紙の緩衝材は雑がみへ。
  5. 大きさを揃えてひもで縛る:同じくらいの大きさに揃えると収集がスムーズです。

出すときの注意点

  • ビニール袋に入れない:紙類はビニール袋に入れると回収されません。必ずひもで縛るか、紙袋にまとめてください。
  • 異物を混ぜない:クリップ、ホチキスの針は少量なら構いませんが、金属バインダーやプラスチック表紙は取り外してください。
  • 段ボールは他の古紙と分ける:段ボールは新聞紙や雑誌とは別にまとめてください。リサイクル工程が異なります。
  • 宅配ピザの箱:油で汚れた部分は切り取って可燃ごみへ。きれいな部分だけ段ボールとして出せます。

⚠️ リサイクルできない紙の見分け方

紙に見えてもリサイクルできないものがあります。間違って古紙に混ぜると、再生紙の品質を低下させたり、リサイクル設備のトラブルにつながります。

感熱紙の見分け方

感熱紙はレシートやATM明細に多く使われています。爪で表面をこすると黒い線が出るのが特徴です。感熱紙にはBPA(ビスフェノールA)などの化学物質が含まれており、古紙に混入するとリサイクル紙に移行する可能性があります。

防水加工紙の見分け方

紙を破ったとき、断面にうすいフィルム層が見えたら防水加工紙です。紙コップや紙皿の多くはポリエチレンで内側をコーティングしているため、通常のパルプ工程では処理できません。

迷ったときのチェックリスト

  • 爪でこすって黒くなる? → 感熱紙 → 可燃ごみ
  • 破ったときフィルム層がある? → 防水加工紙 → 可燃ごみ
  • 水をたらして染み込まない? → ラミネート加工 → 可燃ごみ
  • 匂いがきつい(香り付き)? → 芳香加工紙 → 可燃ごみ
  • 金・銀色で光沢がある? → アルミコーティング → 自治体に確認
  • 油や食べ物で汚れている? → 汚損紙 → 可燃ごみ

🥛 紙パックの出し方

牛乳パックやジュースパックは、一般の古紙よりも繊維の質が高く、リサイクル価値が非常に高い資源です。正しく処理して出すことで、高品質なトイレットペーパーやティッシュに生まれ変わります。

1

開く

パックの上部を開き、底面もハサミで切り開いて1枚の状態にします。

2

洗う

水ですすいで、牛乳やジュースの残りをきれいに洗い流します。

3

乾かす

水切りかごや物干しなどで完全に乾燥させます。カビが生えるとリサイクルできなくなります。

4

回収ボックスへ

スーパーマーケットの回収ボックスや、自治体の古紙回収に出します。

アルミ付き紙パックに注意

内側が銀色に光っている紙パック(お酒や一部のジュース)はアルミコーティングされています。通常の紙パック回収では受け入れられない場合があります。

  • 見分け方:開いた内側が銀色ならアルミ付き、白ければアルミなし。
  • アルミなし:スーパーの回収ボックスや自治体回収に出せます。
  • アルミ付き:一部のスーパーや自治体で専用回収を行っています。対応していない場合は可燃ごみへ。
  • 紙パック6枚 = トイレットペーパー1個分:紙パックの繊維は非常に上質で、少量でも大きなリサイクル効果があります。

紙パック回収ボックスの設置場所

紙パックの回収ボックスは以下の場所に設置されていることが多いです。

  • スーパーマーケット:ほとんどの大手スーパーに設置されています(イオン、イトーヨーカドー、西友など)。
  • 市区町村の施設:役所、公民館、図書館などに設置されている場合があります。
  • 学校:PTAや学校の資源回収で収集していることがあります。
  • マンション・集合住宅:ゴミ集積所に専用の回収場所がある場合があります。

♻️ リサイクルの流れ

回収された古紙は、製紙工場でさまざまな工程を経て再生紙に生まれ変わります。紙のリサイクルは資源の循環利用の代表的な例です。

古紙リサイクルの工程

  1. 回収・選別:古紙は種類ごと(新聞、段ボール、雑誌、雑がみ)に選別されます。異物が混入していないか確認されます。
  2. パルパーで溶解:大きな槽(パルパー)に水と一緒に投入し、攪拌して繊維をほぐします。
  3. 異物除去:金属、プラスチック、ホチキスの針などを取り除きます。
  4. 脱墨(ディインキング):インクを繊維から分離して除去します。石鹸のような薬品で泡立て、泡と一緒にインクを取り除きます。
  5. 漂白・調整:必要に応じて漂白し、白さや品質を調整します。
  6. 抄紙(しょうし):パルプを薄く広げ、水分を絞り、乾燥させて再生紙が完成します。

再生紙から作られる製品

  • 新聞古紙 → 新聞用紙、週刊誌用紙、更紙(わら半紙)
  • 段ボール古紙 → 段ボール原紙(段ボールはほぼ100%古紙から作られています)
  • 雑誌古紙 → 板紙(お菓子の箱、書籍の表紙)、建材
  • 紙パック → トイレットペーパー、ティッシュペーパー(高品質パルプ)
  • 雑がみ → 板紙、段ボール原紙の材料

日本の古紙リサイクル率

日本の古紙利用率は約67%で、製紙原料の約6割が古紙パルプです。段ボールに至っては約90%以上が古紙から製造されています。

  • 新聞用紙:古紙配合率は約70%
  • 段ボール原紙:古紙配合率は約90%以上
  • ティッシュ・トイレットペーパー:古紙配合率は約50%以上
  • 板紙(紙器用、建材用):古紙配合率は約90%

ただし、紙は再生するたびに繊維が短くなるため、通常5~7回程度がリサイクルの限界です。新しいバージンパルプを適度に混ぜることで品質を維持しています。

🔍 よくある質問

Q. シュレッダーにかけた紙はリサイクルできますか?

A. 多くの自治体では、シュレッダー済みの紙はリサイクルに出せません。繊維が細かく切断されているためパルプとしての品質が低く、選別機で飛散するなどの問題もあります。透明な袋に入れて古紙と一緒に出せる自治体もあるので、お住まいの自治体に確認してください。出せない場合は可燃ごみとして処分します。

Q. ホチキスの針やクリップは取り外す必要がありますか?

A. 小さなホチキスの針やペーパークリップは、リサイクル工程で取り除かれるためそのまま出して構いません。ただし、大きな金属クリップ、スプリング綴じ、プラスチックファイルなどは事前に取り外してください。

Q. ティッシュの箱は古紙に出せますか?

A. ティッシュの箱は段ボールや雑がみとしてリサイクル可能です。ただし、取り出し口のビニール部分は必ず取り除いてから出してください。

Q. 封筒の窓(セロハン部分)はどうすればいいですか?

A. 封筒のセロハン窓は取り除いてから出すのが基本です。セロハンはプラスチックの一種であり、古紙に混入するとリサイクルの障害になります。

Q. 写真はリサイクルできますか?

A. 一般的な銀塩写真はプラスチック層で覆われているためリサイクルできません。可燃ごみとして処分してください。インクジェット印刷の写真用紙も同様に不可です。

Q. 段ボールについたガムテープは全部剥がす必要がありますか?

A. できるだけ剥がすのが望ましいですが、完全に取り切れなくても問題ありません。紙テープ(クラフトテープ)は紙なのでそのまま出せますが、布テープやOPPテープはプラスチック製なので取り除いてください。

🌎 環境への効果

紙のリサイクルは森林保護とCO2削減に大きく貢献します。一人ひとりの分別行動が、地球環境を守ることにつながります。

紙1トンをリサイクルすると

  • 立木約20本分を節約:直径14cm、高さ8mの木を約20本伐採しなくて済みます。
  • 水の節約:バージンパルプ製造と比べて約60%の水を節約できます。
  • エネルギー節約:新たに木材パルプから製造する場合と比べて約40%のエネルギーを削減できます。
  • CO2排出削減:古紙利用により約1.2トンのCO2排出を抑制します。
  • ごみの減量:焼却や埋め立て処分場の負担を大幅に軽減します。

身近な数字で見る効果

  • 古新聞1kg(朝刊約4日分)のリサイクルでトイレットペーパー約5個が作れます。
  • 牛乳パック6枚でトイレットペーパー1個が作れます。
  • 段ボール箱10枚でA4コピー用紙約120枚分の原料になります。
  • 日本の1世帯が1年間に排出する古紙量は約100kg。すべてリサイクルすると約2本の木を救えます。

紙の使用量を減らすためにできること

  • 両面印刷を心がける:プリンターの設定を両面印刷にするだけで紙の消費量が半分になります。
  • デジタル化を進める:電子メール、PDF、クラウドストレージの活用で紙書類を減らせます。
  • 電子レシートを選ぶ:感熱紙レシートの発行を減らし、電子レシートを選びましょう。
  • 不要なDM・チラシを断る:ポストに「チラシ不要」と表示することで紙ごみを減らせます。
  • 再生紙製品を選ぶ:トイレットペーパーやノートは再生紙製品を積極的に選びましょう。
  • ブックオフなどで本を売る・寄付する:不要な本は捨てずにリユースに回しましょう。