日本のPETボトルリサイクル率は世界トップクラス。正しい分別方法を知って、高品質なリサイクルに貢献しましょう。
ご注意
このガイドは一般的なPETボトルの分別方法を紹介する参考資料です。収集ルールは自治体によって異なりますので、お住まいの地域の自治体ホームページや分別ガイドブックで正確な情報をご確認ください。
PETボトルとは、ポリエチレンテレフタレート(PET)という樹脂で作られたボトルのことです。軽くて丈夫、透明性が高いことから、飲料容器として世界中で広く使われています。日本では「ペットボトル」とも呼ばれ、独自の識別マークで管理されています。
日本のPETボトルには、「PETボトル識別表示マーク」(矢印の三角形の中に数字の1が入ったマーク)が表示されています。このマークが付いたボトルは、PETボトルとして分別回収の対象です。
| 項目 | PETボトル | その他のプラスチックボトル |
|---|---|---|
| 素材 | ポリエチレンテレフタレート(PET) | PE、PP、HDPEなど |
| 識別マーク | PETボトルマーク(1番) | プラマーク |
| 分別区分 | PETボトル(別途回収) | 容器包装プラスチック |
| 透明度 | 高い(無色透明が主流) | 不透明なものが多い |
| 主な用途 | 飲料、調味料 | 洗剤、シャンプー、日用品 |
PETボトルは他のプラスチックと比べてリサイクルしやすく、高品質な再生原料を作ることができます。別に回収することで、ボトルからボトルへの水平リサイクル(ボトルtoボトル)が可能になり、資源の循環利用が実現します。
日本のPETボトルリサイクル率は約86%(2022年度)で、世界でもトップクラスの水準です。欧州(約52%)や米国(約28%)と比較しても非常に高い数値を維持しています。この高いリサイクル率は、消費者の丁寧な分別と自治体の回収体制によって支えられています。
PETボトルのリサイクル品質を高めるために、以下の4つのステップを実践しましょう。
ボトルに巻かれたフィルムラベルをはがします。ミシン目に沿って切り込みを入れると簡単にはがせます。
キャップを外し、キャップリング(口元のリング)もできれば取り外します。取れない場合はそのままでも大丈夫です。
水で軽くすすいで中身の残りを取り除きます。1~2回すすぐだけで十分です。
ボトルを手や足で平らにつぶし、かさを減らしてから指定の回収場所に出します。
ボトルは縦方向(上から下へ)につぶすのが推奨されています。横方向につぶすと選別機で形状を認識しにくくなる場合があります。自治体によってはつぶさないで出すよう指示している場合もあるので、地域のルールを確認してください。
PETボトルの分別で重要なのが、ボトル本体・キャップ・ラベルの3つに分けることです。それぞれ素材が異なるため、別々のリサイクルルートで処理されます。
| 部品 | 素材 | 分別先 | リサイクル先 |
|---|---|---|---|
| ボトル本体 | PET(ポリエチレンテレフタレート) | PETボトル回収 | 新しいPETボトル、繊維製品 |
| キャップ | PP(ポリプロピレン)/ PE(ポリエチレン) | 容器包装プラスチック | パレット、ベンチなど |
| ラベル | PS(ポリスチレン)/ PP / PET | 容器包装プラスチック | 各種プラスチック製品 |
| キャップリング | PP(ポリプロピレン) | ボトル本体と一緒でOK | リサイクル工場で除去 |
日本ではPETボトルのキャップを集めてリサイクルし、その売却益を途上国のワクチン購入費用に充てる「エコキャップ運動」が広く知られています。学校や企業で回収活動が行われており、キャップ約860個(2kg)でポリオワクチン1人分に相当するとされています。
回収されたPETボトルは、いくつかの工程を経て新しい製品に生まれ変わります。
自治体や事業者が回収したPETボトルを、リサイクル工場で異物やキャップ残りを取り除きながら選別します。
選別後のボトルを圧縮して「ベール」と呼ばれる直方体のブロックにまとめ、リサイクル事業者に引き渡します。
ベールをほぐしてボトルを細かく粉砕し、温水やアルカリ液で徹底的に洗浄。ラベルやキャップの残りも除去します。
洗浄したPET片(フレーク)を乾燥・溶融して、小さな粒状のペレットに加工します。これが再生PET原料です。
再生PETペレットから新しいPETボトルや繊維製品、シート材などが製造されます。
近年注目されているのが「ボトルtoボトル」と呼ばれるリサイクル手法です。使用済みPETボトルから、新しい飲料用PETボトルを製造する技術で、品質を落とさずに何度でもボトルに再生できます。
日本では大手飲料メーカーがボトルtoボトルの取り組みを積極的に推進しており、2030年までにボトルtoボトル比率50%を目指す企業も増えています。
| リサイクル製品 | 必要なPETボトル数(目安) |
|---|---|
| Tシャツ 1枚 | 約8本(500ml) |
| フリースジャケット 1着 | 約25本(500ml) |
| ネクタイ 1本 | 約2本(500ml) |
| エコバッグ 1つ | 約5本(500ml) |
| 新しいPETボトル 1本 | 約1本(同サイズ) |
緑色や茶色など着色されたPETボトルは、自治体によって扱いが異なります。
ボトルの口元に残るキャップリングは、無理に取る必要はありません。リサイクル工場の洗浄・選別工程で自動的に除去されます。手を傷つけるリスクがあるので、そのまま出してください。
自治体によってルールが異なります。
お住まいの地域のルールに従ってください。
水ですすいでも多少の色が残ることがあります。軽くすすいで目に見える汚れがなければ問題ありません。完璧に透明にする必要はありません。ただし、カビが生えている場合は可燃ごみとして出してください。
はい、変形していてもPETボトルとしてリサイクルできます。重要なのは素材がPETであることです。凹みやシワがあっても問題ありませんので、通常通りラベルとキャップを外してから出してください。
輸入品のPETボトルでも、日本のPETボトルマークが付いていれば同様に分別できます。マークがない場合でも、素材がPETであれば多くの自治体でPETボトルとして回収可能です。不明な場合は自治体に確認してください。
PETボトルを正しくリサイクルすることは、環境保全に大きく貢献します。一人ひとりの分別行動が、地球規模の効果を生み出しています。
外出時にマイボトルを持参すれば、年間で100本以上のPETボトル削減が可能です。
公共施設や商業施設の給水機を活用。「mymizu」などのアプリで近くの給水スポットを探せます。
自宅に浄水器を設置すれば、ミネラルウォーターのPETボトル購入を大幅に減らせます。
ラベルレスのPETボトル飲料を選べば、ラベルをはがす手間がなく分別が簡単になります。
日本の高いPETボトルリサイクル率は、一人ひとりの丁寧な分別があってこそ実現しています。ラベルをはがし、キャップを外し、中をすすいで出す -- この小さな行動の積み重ねが、資源の循環と環境保全につながっています。正しい分別を続けることで、持続可能な社会の実現に貢献しましょう。